狩猟により発生した事故概要

　残念なことに毎年狩猟の事故が報告されています。平成１１年度には７２件（※）の報告がありました。どのような事故が発生しているのかを表にしてみました。赤くなっているものは一般市民への被害（計８件）です。もちろん一般市民の被弾はあってはならないことで充分に気をつけていただきたいのですが、あわせてこの表から読み取れるのは…転倒などによる怪我が多いことです。特にお歳をめされた方に多いようですのでご注意ください。

　１年前（平成１０年度）との比較してみますと、狩猟登録者数は全体で約３％減少し、事故件数も９３件→７２件と約２３％減少しています。しかし一般市民への被害は７件→８件とむしろ増えてしまいました。皆さん！とにかく矢先には充分ご注意を！

※環境省発表の事故件数を見ると７１件となっていますが、事故概要を詳しく見ていくと合計７２件が報告されています。どちらが正しいのかよくわからないのですが、概要を重視して合計９３件と致しました。なおこのページに記載したデータは環境省が提供している「平成１１年度鳥獣統計」を元にしております。事故概要として公開されているデータから年齢、概要のみを抜き出してソートしました。オリジナルデータはインターネット自然研究所からダウンロードできます。

平成１１年度鳥獣統計　事故概要より
年齢 概要
29 有害鳥獣駆除に従事中、駆除対象であるカワウが１００ｍほど先に認めれたため、散弾を装填し、安全装置をはずし、銃口を右足靴の上に置き、指を引き金にかけ、待機していたところ、無意識に引き金を引き、銃が暴発、自己の右足を負傷した。
39 狩猟のため、スキーで余市町豊岡無番地山中に入ったが、狩猟の暴発により死亡したとみられる。
39 配水管に足をはさみ、足首骨折。
40 移動中に転倒、右膝打撲
43 キジバトを発見したため、乗用車から降りて片足をドアステップにかけて、銃口を助手席に座っていた被害者に向けた状態で弾をこめたところ、暴発し、被害者の右足下腿部に被弾した。
43 仲間同士が二手に分かれて狩猟中、一方がキジを追い出しもう一方が散弾銃を一発撃ったところ約３０Ｍ離れた仲間の右腕、首にあたり、約１週間のけがを負った。
43 獲物の回収中倒木につまずき転倒、右上腕三頭筋腱断烈
48 手負いとなった猪が、突然向かって来て左足大腿部を牙で刺創
48 狩猟中、転倒し、左足首骨折
49 谷で足を滑らし転倒。石で親指裂傷。
50 バランスを崩し、ナイフで左手人差し指を刺す。
50 有害駆除中農道で足を滑らせ転倒、右手筋を痛める。
51 狩猟中、沢に滑落
51 猪猟の見切で猟場を走行中、方行を変えるときに肉離れを起こした
51 サトウキビ畑に出てきたシカに向かって発砲、農作業中の人に当たり右手親指負傷
52 狩猟中、足場が崩れ滑落負傷
52 猟師１２名とイノシシ猟中、イノシシが突進してきたので発射し、命中した後転倒して右足くるぶし上部を骨折した。（総社市美袋地内）
52 雨上がりのイノシシ猟中に、刃渡り２０Ｃｍのナイフで猟犬に噛まれたイノシシのとどめを刺そうとしたところ、足下が滑って自分の左足の太股を刺した。（島根県邑智郡桜江町志谷地内）
54 自分の猟犬が他の狩猟者に噛みつき、怪我を負わせた。
54 猪を持ち出す為にロープを掛けようとしたが、襲われて牙で右手甲を刺創
55 シカの狩猟を目的として８人の猟友と猟をしていたところ、加害者と被害者の間にシカが飛び出してきたため発砲した。この弾があたり負傷したもの。
55 作業道の上の方で音がして草が揺れていたので、声を掛け確認したが返事がなく、猪らしきものが見えたためライフル弾を発射したところ、しきび取りをしていた人の唇付近に当たりけがを負わせた。
55 山中で移動中に転倒、頭部打撲
56 道路（町道）わきの山林でガサガサという物音がしたため、イノシシと思いこみ音の方向へ散弾銃を発砲したところ、山林内で作業をしていた被害者の背中に散弾が命中し、死亡させた。
56 狩猟中、河川敷対岸の中学生に命中
57 雪で足を滑らせ転倒し、はずみで暴発。同行者の頭や首に散弾が命中した。
57 鹿猟中、誤って小沢に転落し膝を負傷した
58 紋別市内の国有林で、仲間１０人ほどでヒグマ猟を行っていたところ、ヒグマを発見、ライフル銃を発砲したが、仕留めきれず、ヒグマの逆襲にあい、重傷を負った。
58 狩猟を終えた後、自己所有の自動車内に銃を保管する際、同銃を暴発させ助手席に乗っていた被害者の右腕に散弾が命中し、肘から下を切断する傷害を負わせた。
58 溝の足をとられ、右膝靭帯損傷。
58 山畑を走っている途中、アキレス腱切断。
58 罠にかかっていたイノシシに襲われ、右足、ふくらはぎにイノシシの牙が刺さった。
59 カモ猟を始めようとする際、濱部の岩場で岩に滑って鎖骨骨折
59 飛び出した猪に向けて発砲したところ、銃弾が、地上にあった小石に跳弾し、その破片の一部が被害者の左頬に命中。
59 狩猟中に転倒し、右背中の肋骨を折る
60 射撃場で転倒した際に暴発
60 猪猟中、河原でつまづき手首、指を骨折
60 狩猟中、足を滑らせ転倒し、右足薬指を脱臼し靭帯を切断
60 猪猟中、犬とともに丸太橋を渡っている途中、犬が急に走り出したため、下の道へ転落。右足間接脱臼骨折
61 キジ猟中に足下のツルに右足をとられ、前のめりになった際に所持していた銃が暴発し、自分の足指に散弾があたった。
61 斜面にて転倒。山刀で左手親指裂傷。
61 足を滑らし転倒し、頭部を損傷。
61 猪猟中、犬がわなにかかった為、あわてて、外しに行く途中、転倒し、左足首にヒビと骨折
62 狩猟期に伴う取締り等のため、警察官が職務質問をしたところ、銃の操作を誤り、装てんしていたライフル銃を暴発させ、乗車していた車のドアを破損させた。
62 ワイヤ線につまずき転倒。前額部裂傷。
62 猟犬が追い出したイノシシが農作業中の主婦を襲い１ケ月位の重傷　但し猟をしていた場所は１ｋｍ以上離れた場所
63 手負イノシシを追跡中襲ってきたイノシシに左足をかまれる。
64 音別町内の山林で、ヒグマを発見した単独のハンターが、仕留めたと思って背を向けた瞬間に倒したはずのヒグマに襲われ格闘になり、重傷を負った。
65 竹を伐採していた男性を獲物と誤認して発砲し、右脇腹に命中させたもの。即死。
65 加害者が逃げるウサギを発見し、ウサギに向かって散弾銃を一発発砲したところ、笹の葉を採取していた被害者の右側の顔面・肩・胸部に銃弾があたった。
66 笹に足取られ、転倒し自分の右足を撃った。
66 仕掛けたわなの見回りと設置のための出猟中死亡（心不全）
67 標津町内の林道で、道外のハンターが誤って銃を暴発させ。自分の頭を打ち抜いて死亡した。
67 北海道でエゾシカ猟中、転倒して銃が暴発。左後頭部から頭頂部にかけて銃弾が貫通し、死亡。
67 猪猟中、枯枝を踏み、その枝が、跳んできて、眼に当たった。
68 転倒時の自銃暴発により死亡
69 散弾銃を撃とうとし、猟犬にぶつかり、体勢を崩し、対岸の同行者へ誤射した。
70 鳥猟中、山の斜面で転倒し、左膝を骨折
70 罠猟中、雨で足を滑らし水路に転落。右足首骨折、脊髄にひびが入った。
71 ワナの見回り中、足がすべり転落、左大腿骨骨折。
73 狩猟中、石の割れ目に足を挟まれ転倒し、足踝を骨折
74 足くくり罠にかかった猟犬を取りはずし中、左手首、右手咬まれた。
74 猪猟中、転倒し、右手指骨折
76 イノシシがワイヤーを切って飛び出し、その際転倒（腰足怪我）
77 猪猟中、猪に背後から襲われ、尻を噛まれた
78 猪猟中、猪に向けて、銃を発射したが、反撃にあい、牙で左足を咬まれた。
- ワナにかかったイノシシに近づいたところ、ワナが外れて親指を噛まれ骨折。
- 銃猟中、川の中で足を滑らせ水死（自損）
- 猟の帰リに、足を踏み外し転倒、腕を骨折。（自損）
- 仕留めたと思ったイノシシに噛みつかれ足を負傷（自損）
- 狩猟中、付近散策者に命中
- 猟の帰路に沢に転落し、右脚脛骨及び腓骨骨折。

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