狩猟により発生した事故概要
残念なことに毎年狩猟の事故が報告されています。平成13年度には136件の報告がありました。どのような事故が発生しているのかを表にしてみました。赤くなっているものは一般市民への被害(計10件)です。事故の多くはハンター自身のけが・死亡です。もちろん一般市民の被弾はあってはならないことですが、それだけでなく自分自身、あるいは仲間内の安全にもっと目を向けましょう。特に転倒やイノシシ猟での怪我が多いようです。お歳をめされた方に多いようですのでご注意ください。
1年前(平成12年度)との比較してみますと、狩猟登録者数はほとんどかわらないのですが(約3%減)、事故件数が111件→136件と約23%も増加しています。一般市民への被害も5件→10件と倍増です。とにかく矢先の確認を怠らず、猟に執着せず、まずは安全第一でいきましょう。
※このページに記載したデータは環境省が提供している「平成13年度鳥獣統計」を元にしております。事故概要として公開されているデータから年齢、概要のみを抜き出してソートしました。オリジナルデータはインターネット自然研究所からダウンロードできます
年齢 | 概要 |
37 | 猟場で一般人に気づかず発砲 |
37 | 単独で狩猟中、林道で足を滑らせた際に散弾銃が暴発したと見られ、胸に銃弾を受けた。 |
38 | 石に右足をぶつけ、骨折 |
38 | キジ猟中、小走りに走っていたところ、畑の蛙に足を取られ転倒し、前歯を折るとともに唇を負傷した。 |
41 | 歩いてキジ猟を行っていたところ、石に躓き転倒し、左膝を負傷した |
44 | 谷へ転落、右膝靭帯損傷 |
46 | カモ猟中、対岸に人がいることに気づかず発砲、左目下に散弾1発着弾 |
48 | 狩猟中にヤマドリに気を取られて周囲の安全を確認せず、銃を発射し、約80メートル前方の男性に散弾1発を命中させ、全治約1ヶ月のケガを負わせたもの。 |
49 | キジ猟中、キジを半矢にし猟犬が追いだしたので、発砲したところ前方16mの同行者の左脚に散弾があたり負傷させた(矢先の不確認)。 |
49 | イノシシ猟中、ゲームを追い出し、石に登ったところ、ぐらつき転倒し右足首を骨折した。 |
49 | 狩猟を終えて散弾銃に散弾を装填したまま車の荷台に放置していた。銃を取り出す際に、荷台に積んであったホースの金具が引き金に掛かり暴発。 銃口が本人に向いていたため弾がのどに命中し即死。" |
49 | ヤマドリ猟中、切り株に足を取られ転倒。 |
49 | 狩猟中、浮き石を踏み転倒する。(右尺肩茎状突起骨折) |
50 | コジュケイ猟中犬がポイントし飛び出したコジュケイに発砲したところ、いないと思った同行者の頭と胸に被弾した。 |
51 | 足を滑らせて転倒し、左手親指を骨折 |
51 | イノシシ猟中滑落。 |
51 | イノシシ猟中、犬が噛み止めたので剣鉈で仕留めようと近寄ると突然動き、その反動で剣鉈が左足のふくらはぎに刺さる。 |
51 | 撃ったイノシシの血抜きをしようとしたとき、イノシシに左足を咬まれる。 |
52 | イノシシ猟中、たつ場を変えようと斜面を移動中に転倒、右足に肉離れを起こした。 |
52 | 狩猟者同士による銃による事故。1名散弾で目を負傷。 |
52 | イノシシ猟中、山を下ってきたところ、積雪のため段差に気づかず、3m程の高さから落下した。 |
52 | 撃った猪の横に座った時猟犬に咬まれ13針ぬった。 |
53 | シカの有害鳥獣駆除中に、クマに襲われた |
53 | 足を滑らせて転倒し、左膝を捻挫 |
53 | シカ猟中滑落。 |
53 | 猟犬に追跡されたイノシシが作業中の農夫に襲いかかり尾骨骨折等を負わせた。 |
53 | 手負いとなったイノシシが襲いかかってきたのを素手で止めようとした。 |
53 | 足を滑らせ河原に転倒 |
53 | 猪をロープで結び上げようと石の上で踏ん張ったところバランスを失って・・・ |
54 | 畑からコジュケイが飛び立ったため、散弾銃を発射したが、前方にいた歩行者に命中した。 |
54 | 狩猟を終えて下山途中、丸太のかかった谷を渡る時、凍っていて足を滑らせ滑落した。 |
54 | 2人で猟に出かけ、「キジが出た」と相方が言ったので、矢先の十分な確認を行わず発砲し前方91メートルにいた軽トラックの窓から後方を確認している男性の鼻頭左を散弾が1発かすめた。 |
54 | シカ猟中かじかんだ手で銃の引き金に手を入れ、暴発。 |
55 | イベントの一環で行われた野ウサギ狩りで矢先の十分な確認を行わず銃を発射し、せことして追い出しをしていた男性36才に散弾が命中し、軽傷を負わせたもの。 |
55 | 午前11時頃、加害者が狩猟のため猟犬3匹連れて猟場で放犬したところ農作業から帰宅途中の女性(84歳)の左足を2匹が咬みついた。 咬傷、左下腿剥脱創、左下腿筋挫傷及び左腓骨骨折3週間の入院。(猟犬は2頭とも紀州犬で1才1ヶ月)" |
55 | 自損事故。大阪府の狩猟者。猟銃の暴発。 |
55 | 足を滑らせ転倒 |
55 | 猟犬が獲物を追いかけ中、右足膝にぶつかり転倒する。(右足膝靭帯損傷) |
55 | わなの見回り中転落する。(骨盤骨折) |
55 | イノシシ捕獲用のワナを仕掛けている最中に、場所が急斜面であったため仕掛竿が折れ、転んだ瞬間にワナの輪が右母指にかかり、切断。 |
56 | 足を滑らせて転倒し、右肘を打撲 |
56 | 大物猟のタツバに着く途中、雑木の小枝を手で分けて進んでいたところ、枝木が押した反動で戻り右目に当たった。 |
56 | 有害鳥獣駆除中、足が滑り竹の切り口が下腹部に刺さった。 |
57 | 有害鳥獣駆除中、ツツガ虫に刺される。 |
58 | 急斜面で転倒し左手首骨折 |
59 | キジを銃で撃った時、矢先確認を怠り、矢先にいた人に負傷をさせたもの。 |
59 | イノシシ猟中にツルに足をかけ、転倒。 |
59 | 午後2時頃、奈良県吉野郡十津川村大字重里地内山林において、猟友会員5名で猪猟中、前方斜面において黒い物を認め、猟犬が吠えていたことから猪と誤認し、散弾実包2発を発射、内1発が同行ハンターの右肺に命中し、約1ヶ月の重傷を負わせた。 |
60 | イノシシに襲われた。 |
60 | 足を滑らせ転倒 |
60 | 有害鳥獣駆除中、ツルに引っかかり転倒する。(右膝内側副靭帯損傷) |
61 | 福井県でシカ猟中にシカに突進され眉間部刺創、上唇裂創 |
61 | 急斜面で犬に引っぱられ転倒、1.5m下の檜に激突、肋骨骨折 |
62 | シカ猟中、切り株に気を取られ、石の上にのり、足を捻挫した。 |
62 | 有害鳥獣駆除に出猟し、脱包をせずに猟銃を車の助手席に置いて走行中、振動若しくは側溝への脱輪により、助手席に置いてあった猟銃が暴発、散弾が左胸部を貫通し死亡。 |
62 | 急斜面から猟銃を発砲した際、バランスを崩し転倒した。その際に弾が残っていた猟銃が暴発、散弾が胸部を貫通し死亡。 |
63 | 捕獲せんとする兎に注意を奪われ、前方にいた共猟の者に命中した。 |
63 | 個体数調整中、転落。 |
63 | 生きた獲物を担ぎ、下山中すべり、川に転落する。右肩を強打する。 |
63 | 足が草に引っかかり転倒する。左腕肩に打撲する。銃は二つに折れる。 |
64 | 半矢のイノシシに止めを刺す際、イノシシともに転落。 |
64 | 脱包をせずに斜面を移動中に転倒し、猟銃を落とした。その際に猟銃が暴発し、左腕を負傷した。 |
64 | 有害鳥獣駆除中、膝下をマムシに噛まれる。 |
64 | 狩猟中、銃が落ちて暴発し、右膝下に当たる。2週間程度の入院。 |
65 | 工場敷地内にイノシシが入り込んだものを網で捕獲する際負傷。 |
65 | 山中に仕掛けていたわなに掛かり転倒し右手首捻挫 |
66 | 市町村の有害鳥獣駆除の業務に従事していたところ、カラス2羽を認め散弾銃を発射し、矢先方向約86メートルを散歩中の男性に全治六日間の障害を負わせた。 |
66 | 転倒し手を突っ張り右手首及び小指付近骨折 |
66 | 被害者と二人でプレジャーボートに乗りカモ猟中、散弾銃を右船側に立てかけ、ギアーをニュートラルにしたところ、船の進行が停止したはずみで散弾銃が暴発し(安全装置はかけていなかった)、算段が被害者の右足首を貫通した。 |
66 | 有害鳥獣駆除でくくりわなの見回り中、高い熱が出る。(ツツガ虫病) |
66 | 急斜面ですべり転倒する。右手首を骨折し、腰を強打する。 |
67 | シカ猟中滑落。 |
69 | 足を滑らせ転倒 |
69 | 猟を休止する際に銃器から弾を抜こうとし、誤って弾が発射され、被害者の尻と足に当たり、軽傷を負わせた。 |
70 | 竹藪に足を滑らせ骨折 |
70 | イノシシに発砲したが不発で襲われ足を負傷 |
70 | 猪猟中、待ち場の近くで猟犬が猪を止めたが竹藪の中の猪の動きが分かりにくかったので確かめようと近づいた瞬間、飛び出してきた猪に左足を切られた。 |
70 | わなに掛かったイノシシを運ぶときに転倒する。尾てい骨を強打する。 |
71 | 石を踏み外し転倒、左足ふくらはぎを肉離れ負傷 |
72 | 狩猟中、山の斜面ですべり転倒、足を捻挫 |
73 | 足を滑らせて木につかまったとき、肩を痛めた |
73 | 石につまずき転倒し左膝を強打 |
73 | 仕掛けたわなに近づくと、わなに掛かっていたイノシシが放れて飛びかかり、咬まれた。 |
73 | 狩猟中、イノシシに突き飛ばされて側溝に落ちる。(左下腿打撲) |
74 | イノシシ猟中止めを刺そうとしたところ、転倒。手負いのイノシシに襲われた。 |
74 | 誤って滝に転落 |
75 | イノシシに襲われ、牙で大腿部を刺される。 |
76 | 有害鳥獣駆除中、土手に登ろうとして溝に転落する。左足のアキレス腱を切断する。 |
長野県小海町で崖から転落。脳挫傷及び肋骨3本骨折。後日銃は発見。 | |
被害者は仲間9名とイノシシ狩りをしていたところ、笹藪の中から突然クマが現れ、左上腕をかみつかれた。その後クマは射殺された。 | |
猪猟中転倒し約3m下の古い切り株で右背部強打し骨折 | |
約20mほど転落死前歯を損傷 | |
有害駆除用囲いわな扉が頭に落ち死亡 | |
猟野で転倒し足親指骨折 | |
イノシシ猟中に牙で跳ね上げられ左大腿部を負傷 | |
猟野で転倒し左膝を痛める | |
くくりわなに掛かったイノシシに反撃され左足負傷 |